代表理事挨拶

Japan Transcatheter Valve Therapies
JTVT代表理事・理事長
志水 秀行(慶應義塾大学 外科学(心臓血管))

日本経カテーテル心臓弁治療学会(JTVT:Japan Transcatheter Valve Therapies)は、本邦において保険診療下にTAVRの施行が可能となった翌年の2014年に、経カテーテル的大動脈弁置換術関連学会協議会(現・THT協議会)の後援の下で発足致しました。

ご承知の通り、経カテーテル心臓弁治療は術式、アプローチ、デバイスの開発とともに、症例数が飛躍的に増加しています。その中で、本邦における治療成績は、多くの方々の努力と緻密な治療計画によって、導入当初より高いレベルが維持されてきました。今後も、この魅力的な治療が一層発展するように、本学会もしっかりと役割を果たしたいと考えています。

お陰様で、本領域に興味を持ってJTVTに入会される方々の数は年々右肩上がりに増加しており、現在の会員数は1,100名を越えました。学会のさまざまな委員会も精力的に活動しており、学会の体制もかなり充実しています。

現在、白井伸一先生とともに代表理事を務めさせて頂いておりますが、心臓血管外科医と循環器内科医である私たちが二人三脚で代表理事を務めているのは、本学会の設立当初から大切にしている「安全で質の高い経カテーテル心臓弁治療を行うためには、ハートチームの存在が何よりも重要」という考えを反映しています。JTVTは、診療科、職種、所属機関、世代などの垣根を越えた風通しの良い組織でありたいと常に意識しているのです。

本学会は、経カテーテル的心臓弁治療に関わる全分野の医療従事者が、その研究・臨床成績の発表や講演等の活動を通して、緊密に意見交換や学術交流を行い、国内における同治療の安全かつ有効な普及と臨床成績の向上を図ることによって、学術の発展と医療福祉に寄与することを目的としています。これに加えて、本学会は、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本小児循環器学会、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、National Clinical Database(NCD)とも連携しつつ、THT関連学会協議会における重要な役割も担っています。

そのため、JTVTは、年に一度の学術集会の開催、学術誌発行、ワークショップの開催支援、現在米国を中心としたTranscatheter Valve Therapy(TVT)とのタイアップ推進など、学術団体としての活動を推進することに加えて、TAVR専門施設・指導施設、実施医・指導医の認定、TAVRレジストリーおよびレジストリーを活用したリサーチの支援、TAVRライブ実施のガイドライン作成ならびにライブ手術への医療安全委員会メンバーの派遣など、THT協議会から委託された実務も行っています。

これからも、ますます進化する経カテーテル心臓弁治療に特化した学会として、最新の情報・知見の共有、会員の先生方のコミュニケーションの場を提供する役割をしっかりと果たし、さらに、経カテーテル心臓弁治療のさらなる発展と安全な普及のためにも力を注いで参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。